新入幕の双大竜、故郷福島に元気届ける

 大相撲春場所(3月10日初日、ボディメーカーコロシアム)の新番付が25日、日本相撲協会から発表された。新入幕を果たした福島県出身の双大竜(30)=時津風=は大阪市内の部屋宿舎で会見し、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響が残る故郷に奮闘を誓った。初場所で横綱として初めてとなる5度目の優勝を、3度目の全勝で飾った日馬富士(28)=伊勢ケ浜、新入幕の大岩戸(31)=八角=も部屋宿舎で決意を新たにした。

 東日本大震災で甚大な被害を被った岩手、宮城、福島の3県出身者で唯一の関取が、福島からは00年九州場所の玉ノ洋以来13年ぶりとなる新入幕を果たした。双大竜は「被災地はまだ大変な状態。自分が頑張って、励みになってもらえれば」と故郷に思いをはせた。

 内陸部にある福島市内の実家は無事だった。しかし、福島第1原発事故の影響で、飯舘村在住の伯父らは転居を余儀なくされ、農業を営む親類は放射能の風評被害に苦しむ。場所2日目の11日は震災から丸2年。「自分も一緒に頑張りたい」と言葉に力を込めた。

 個人的な試練は乗り越えた。東農大4年時に原因不明の腹膜炎を患い、小腸50センチ、大腸5センチを切除して入門が遅れた。幕下時代の07年には部屋で力士暴行死事件が発生。相撲への意欲を失って引退を考えたが、辛うじて踏みとどまった。

 体重122キロは日馬富士(同133キロ)を下回り、幕内最軽量となる。30歳の苦労人は「地道にやってきて良かった。遠回りとは思っていない」と胸を張る。復興を目指す故郷のように、「横綱とあたる地位まで上がりたい。スピードで勝機を見いだす」と飛躍を誓った。

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