白鵬、北の湖に並ぶ37場所連続2桁勝利
「大相撲春場所10日目」(19日、ボディメーカーコロシアム)
横綱白鵬は関脇把瑠都を上手出し投げで下して10連勝とし、北の湖に並ぶ史上最多37場所連続2桁勝利を記録した。大関琴奨菊は豊ノ島のすくい投げに屈して3敗目を喫し、2敗は勝ち越しを決めた平幕の隠岐の海だけとなった。横綱日馬富士は松鳳山を寄り切り7勝目。他の大関陣では稀勢の里が勢を寄り倒し、初顔の連勝を20とした。鶴竜は小結栃煌山に押し倒されて5敗目。
白鵬に新たな勲章が加わった。37場所連続の2桁勝利は、北の湖(現理事長)に並ぶ史上最多記録。10連勝で決め「(10勝は)横綱としての勝ち越し。気持ち良く決められた。また一つ昭和の大横綱に肩を並べられて満足感がある」と、納得の表情だった。
把瑠都との1分44秒7の攻防を制した。右四つで組み合い、もろ差しに移行した相手の左下手を切った後、半身からとっさの上手出し投げを決めた。「先場所とは別人のようだった」と、敗者をたたえる余裕もみせた。
6年前の名古屋場所で横綱昇進後、休場はなく大関時代からの2桁勝利が継続。北の湖理事長は「常に12、13勝する。体が柔らかいから大けがをしない。安定している」とたたえた。
白鵬はこの日の朝「昨年の夏が大きかったな」と振り返った。昨年夏場所は右手小指を骨折し、10勝5敗に終わった。9日目までに4敗を喫し休場危機に陥ったが「毎日違うお客さんが来る。千秋楽まで出るのが務め」と、出場を続けた。
白鵬は「日ごろの努力。一つ一つの積み重ねです」と話した。稽古量の少なさを指摘する声もあるが、付け人の幕下宝香鵬は「準備運動を他の関取の2倍はする。普段も足の親指を地面につけて歩き、横綱は日常生活が稽古になっている」と証言した。
北の湖に並ぶ24度目の優勝へ‐。白鵬が自然体を貫けば、間違いなく手中にするだろう。