白鵬13連勝で北の湖に並ぶ24度目V
「大相撲春場所13日目」(22日、ボディメーカーコロシアム)
横綱白鵬が関脇豪栄道を上手投げで退けて13連勝とし、2敗で追う隠岐の海が小結栃煌山に敗れたため、2場所ぶり、北の湖(現理事長)に並ぶ史上4位の24回目の優勝を決めた。13日目の優勝は自身4度目で、15日制定着以降では千代の富士に並ぶ最多。春場所は4連覇となった。また、幕内通算勝利を648勝とし、安芸乃島、貴ノ浪を抜き単独9位になった。横綱日馬富士は大関鶴竜に寄り切られて4敗目。鶴竜は勝ち越した。
豪快だった。勝てば優勝が決まる豪栄道との一番。白鵬は張り差しで右四つとし、間髪入れずに左からの上手投げで裏返しにした。「自分の相撲で決まり、満足しています。豪快に決めようというのがありました」と、胸を張った。
負けられなかった。内弟子の石浦が7戦全勝で序ノ口優勝を決めた。ゲン担ぎに星柄の下着を贈り「2人で優勝を決めよう」とハッパをかけていた。「内弟子とダブル優勝。こんなうれしいことはない」と相好を崩した。
北の湖に並ぶ24度目の優勝。「最高ですね。今年の目標にしていた数字だし、また昭和の名横綱に肩を並べることができてうれしい」と喜んだ。北の湖理事長からは「まだ通過点。もっと先を見ているはず。30回の優勝を、でしょう」と評価された。
場所前の2月25日、官邸で行われた元横綱大鵬、故納谷幸喜さんの国民栄誉賞授与式に、納谷芳子夫人らとともに出席した。式典後、丁寧に梱包(こんぽう)された賞状を見た白鵬は「もう一回見せてください」と芳子夫人に頼んだ。
芳子夫人は「包みをほどいて賞状をじっと見つめた後『頑張ります。光栄です』と話していました。表情を見て、春場所は優勝すると確信しました」と明かした。4月以降に大鵬さんが愛用した品を白鵬に形見分けするという。博多帯などが候補に挙がっている。
納谷さんを“日本の父”と尊敬していた。「誰もが夢見る32回の優勝に近づくのが大鵬さんへの恩返しかな」と誓った。まずは9度目の全勝優勝を果たし、大鵬、双葉山を上回る単独最多記録へ‐。大横綱白鵬の道のりは、まだ終わりが見えない。