日馬富士5敗目…また“クンロク”危機
「大相撲春場所14日目」(23日、ボディメーカーコロシアム)
横綱日馬富士が、またも“クンロク”危機に直面した。大関稀勢の里に左おっつけから押し倒されて5敗目を喫した。千秋楽の横綱対決に敗れれば、新横綱場所の昨年九州場所に続き、一桁勝利に終わる。13日目に2場所ぶり24回目の優勝を決めた横綱白鵬は、大関鶴竜を寄り切り14連勝。双葉山、大鵬を上回り単独トップに立つ9度目の全勝優勝に王手をかけた。
日馬富士は取組後、支度部屋で「かわいそうな目で見るなよ」と苦笑いした。立ち合いで稀勢の里に顔を張られ、のど輪で押し込まれ、左おっつけで押し倒された。5敗目を喫し、思わずぼやいた。
千秋楽は全勝優勝を狙う白鵬が相手。敗れれば9勝6敗に終わる。新横綱として臨み、9勝6敗の昨年九州と同様、場所後は各方面から批判を浴びるのは必至だ。「東横綱として責任は果たしたい」と誓った。
先場所の全勝優勝から暗転。北の湖理事長(元横綱)は「横綱は2けた勝ちたいが、今は難しい。安定感がほしい」と注文をつけた。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「相撲に気持ちが足りない」と、集中力の欠如を指摘した。
横綱は「体が百パーセントじゃない。全身全霊で場所に臨むから、場所の疲れやケガが次の場所までの間に治らない」とこぼした。133キロの軽量横綱の悲哀を漂わせたが、最後に意地を見せるしかない。