日馬富士2敗目でまた“クンロク”危機
「大相撲夏場所5日目」(16日、両国国技館)
横綱日馬富士に、またも“クンロク”がちらつきだした。小結栃煌山に肩すかしで敗れ、5日目を終えて2敗。一けた勝利に終わる危機に陥った。横綱白鵬は栃ノ心を豪快な上手投げで退け無敗を守った。23年ぶりに初日から4連勝とした4大関陣は、稀勢の里と鶴竜は5連勝としたが、琴奨菊とかど番の琴欧洲が初黒星を喫した。平幕では碧山が唯一の5連勝。
つんのめって両手をついた日馬富士は、両ひざを折ったままうつむいた。座布団が舞う中、肩を落として土俵を下りた。不得意な左四つから巻き替えられ、栃煌山にもろ差しを許した。押し込まれて打った首投げは不発、肩すかしに屈した。
支度部屋ではため息を連発。「負けは負けです。気持ちを切り替えて、明日から頑張ります」と声を絞り出した。序盤戦で2敗を喫したことにより一けた勝利に終わる危機が浮上。新横綱として臨んだ昨年九州から、9勝、全勝、9勝と両極端な成績が続いている。
師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「集中力がないんじゃないか。頭をつけていかないと。背が高いわけじゃないし、ヒジもしまっていない」とバッサリ。両足首痛による稽古不足が場所前から懸念されていたが「それでも横綱だから頑張らないと」と、奮起を促した。北の湖理事長(元横綱)は「差し負けた。左四つだと前に出られない。負けられない気持ちが先に出て、硬くなっている」と評した。
6日目に阿覧に敗れ金星を配給すれば、休場の声も出てくる。場所後の28日には、島根県出雲大社の「平成の大遷宮」の行事で奉納土俵入りを務める。「とても光栄なことです」と意気込んでいただけに、休場は避けたいところだ。
最後は舌打ちも繰り返し、いら立ちを隠さなかった日馬富士。「これから頑張ります」という言葉を体現するしかない。