白鵬“変わった”25度目のVに王手
「大相撲夏場所14日目」(25日、両国国技館)
激闘を制した白鵬は「よし!!」とほえた。対戦した稀勢の里の感想を聞かれると「体力的にも精神的にも成長している。来場所にもつなげていけばいい」と評価。一方で「稀勢の里関十分の体勢で勝ったのは、まだまだ(自分が)一枚も二枚も上手な気がします」と、横綱のプライドをのぞかせた。
横綱でありながら立ち合いで左へ変化したが、「上手を取りにいきました」と説明した。最後は右足をすべらせたが、そこから起死回生のすくい投げ。「硬いはずの土俵が、ものすごく軟らかかった。それが結果的に勝ちにつながった」。右ひじのすり傷が、熱戦を物語っていた。
全勝同士による事実上の優勝決定戦。伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は「白熱した、いい相撲だった。最初は横綱があわて気味だったけど、途中から逆になった」と分析した。
幾度も修羅場をくぐり抜けてきた横綱には余裕がある。大一番を控えたこの日朝は、「夕べはよく眠れました。体をもんでもらってる時に寝てしまった」と笑顔で明かした。最大のライバルを退け、元横綱朝青龍に並ぶ25度目の賜杯が一気に近付いた。