「大相撲名古屋場所・番付編成会議」（７月７日初日、愛知県体育館）

　日本相撲協会は２９日、東京・両国国技館で番付編成会議を開き、アフリカ大陸から初めて角界入りしたエジプト出身の大砂嵐（２１）＝本名アブデルラフマン・シャーラン、大嶽＝の十両昇進を決めた。遠藤（２２）＝追手風、琴弥山（２９）＝佐渡ケ嶽、青狼（２４）＝錣山＝を合わせた４人が新十両で、芳東（３６）＝玉ノ井＝が再十両。

　アフリカ初の関取へ、大砂嵐は「一人というのはうれしい」と、喜びを口にした。所要８場所の十両昇進は、外国出身では元大関小錦、関脇把瑠都に並ぶ最速記録。「まだまだもっと。横綱を目指して頑張る」と意気込んだ。

　一昨年１０月に入門。当初は部屋の厳しい規律に戸惑った。日本語の習得に悪影響があると、趣味のインターネットを禁じられた時期もあった。「でも相撲が好き。親方も好き。だから我慢できた」と振り返った。

　くしくも、２９日は部屋を興し、１月に他界した元横綱大鵬の納谷幸喜さんの誕生日。師匠の大嶽親方（元十両大竜）は「大鵬親方が生まれた日に部屋から関取が誕生したのは何かの縁がある」と感慨深げ。夏場所千秋楽には、師弟で７戦全勝を仏前に報告し、妻の納谷芳子さんから「頑張ったね」とねぎらわれた。信心深いイスラム教徒。来場所３日目から、日の出から日没まで飲食できないラマダン（断食月）に突入する。「相撲と一緒。我慢が大事。大丈夫です」と言いきった。