魁聖、勝ち越し ダークホースに浮上

 「大相撲名古屋場所9日目」(15日、愛知県体育館)

 魁聖が若の里を押し出して、勝ち越しを決めた。平幕で唯一1敗を守り、横綱白鵬を1差で追走。優勝争いのダークホースに浮上した。両横綱は明暗が分かれた。白鵬は関脇豪栄道を上手出し投げで退けて全勝を守ったが、日馬富士は関脇妙義龍に押し出されて3敗目を喫し、名古屋場所3連覇は絶望的となった。大関陣では琴欧洲が勝ち越しを決めた。

 完勝だった。194センチ、182キロの魁聖が躍動した。胸から当たって右を差し、若の里を電車道で押し出した。勝ち越しを決め「緊張したけど勝ち越したんで、これから気楽にケガをしないようにしたい。もっと星を伸ばせたらいいですね」と、穏やかに話した。

 最近は腰痛に悩んで苦戦が続いていたが、部屋付きの浅香山親方(元大関魁皇)の「ケガを治す。立ち合いで受けない。自分の体への投資を惜しまない」という助言を実践。週に1回ほどだった治療を、3~5回に増やし、同部屋で胸を貸す旭天鵬が「熊みたいに強いよ」と話すまで、状態が上向いた。

 取組後は名古屋名物のコメダ珈琲店通いが日課。前日はシロノワール(温めたデニッシュの上にソフトクリームをかけたもの)に加え、小倉トースト、ホットドッグ、スクランブルエッグとコーラ3本を頼んだ。食べ過ぎで胃薬を飲むほど愛用するコメダが宿舎近くにあることで、生活にリズムを生んでいる。

 白鵬を1差で追走。魁聖は「優勝は意識していません。とにかくケガをしないように」と謙虚だが、昨年は11勝を挙げて敢闘賞を獲得し、名古屋場所は相性がいい。夏場で体調管理が難しく、伏兵の優勝が多い同場所。1992年の水戸泉以来となる名古屋での平幕優勝へ、無欲の進撃を続ける。

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