最速入幕の遠藤が決意「成績残す」
「大相撲秋場所」(15日初日、両国国技館)
日本相撲協会は2日、大相撲秋場所の新番付を発表した。先場所十両優勝した遠藤(22)=追手風=は、今年春場所から所要3場所で新入幕を果たし、昭和以降の幕下付け出しデビューとしては、史上最速のスピード出世となった。西前頭筆頭で9勝した高安(23)=鳴戸=は西小結に昇進し、平成生まれでは初の三役となった。先場所、歴代単独3位となる26度目の優勝を飾った横綱白鵬(28)=宮城野=は、都内で4場所連続優勝への意気込みを語った。
大相撲史に名を刻んだ遠藤は、埼玉県草加市の部屋で会見し「最速と言われるのはうれしい。番付の一番上に太い字でしこ名が書かれているのもうれしい」と喜んだ。所要4場所の前記録ホルダーには武双山ら元大関がズラリ。「比べられると思うので、恥ずかしくない成績を残したい」と、決意を口にした。
日大でタイトル11個を獲得した逸材。突っ張り、四つもこなす自在型。師匠の追手風親方(元幕内大翔山)は「こんなに早く昇進するとは」と驚きを隠せない。出世が早すぎて、「3つぐらい考えている」というしこ名に変更する時機を逸してきたという。
これを聞いた遠藤は「しこ名のことは知らなかった。『遠藤』が広まってきたので、このままでも…」。故郷石川県の、そして日大の先輩で、本名のまま唯一横綱になった輪島に憧れているだけに戸惑いの表情だ。
先場所は狙い通りに新十両優勝を果たした遠藤。今場所の目標にも「負けることは考えていない」と言い切った。新入幕で横綱と対戦すれば07年秋の豪栄道以来、優勝すれば1914年5月場所の両国以来となる。さらなる快記録を達成すれば、改名話も消え去るだろう。