“最速男”遠藤、2日目で幕内初白星
「大相撲秋場所2日目」(16日、両国国技館)
大歓声の中、悠然と花道を引き揚げた。スピード出世記録で注目を集める遠藤が2日目で初白星。「勝って良かった。歓声がすごく大きくて新鮮でした。ほっとしています」と表情を和らげた。
相手は自身を55キロ上回る体重201キロの佐田の富士。14勝1敗で新十両優勝した先場所は、214キロの徳真鵬に敗戦。巨漢力士との対戦が課題だったが「先場所は中途半端。いなしたりせず押していく」と覚悟を決めた。立ち合いで左四つに組み止め、まわしを与えず寄り進み、相手のすくい投げに構わず寄り切った。
初めて獲得した2本の懸賞。受け取る際の所作は、直前の取組で懸賞を受け取った天鎧鵬の姿を参考にした。場所前まで通った相撲教習所を担当する甲山親方(元幕内大碇)が「基本から決して手を抜かなかった。実技も学科も優等生」と証言するように、何事も真面目に行う性格が生きた。
引き揚げる際には約30人の報道陣を引き連れ、ファンのサイン攻めにも嫌な顔をせずに応じた。高まる注目度には「誰もがこうなるわけじゃない。プラスに考えています」と頼もしく言い切った。