遠藤が逆転で連勝 元把瑠都も期待
「大相撲秋場所3日目」(17日、両国国技館)
昭和以降最速となる所要3場所で新入幕を果たした遠藤は、舛ノ山に押し込まれながら逆転の上手投げで退け、連勝で2勝1敗とした。テレビのゲスト解説を務めた元大関把瑠都のカイド・ホーヴェルソン氏(28)からも、今後の有望株として太鼓判を押された。横綱白鵬は松鳳山を押し倒して3連勝、横綱日馬富士は勢を押し出して、連敗を回避した。大関稀勢の里は隠岐の海に寄り切られて、土がついた。
土俵際に追い込まれても冷静だった。遠藤が逆転で連勝を飾った。舛ノ山に立ち遅れて一気に押し込まれたが、左のすくい投げをすかしながら、右上手投げを決めた。
涼しい顔で研究の成果を口にした。「見ての通り危なかったですけどね。(相手が)すくいながら体を預けてくるのは分かっていた。もう一度体を開かないと、と思いました。とっさの判断でした」。立ち合いに課題は残り、内容は良くなくても、最終的に白星を拾うのは並大抵の力士ではない。
同い年の22歳、舛ノ山とは石川県住吉小時代、全国大会で2度対戦して2敗していた。「彼はスーパースターで、僕はペーペーでした」。15歳で入門した舛ノ山とはその後、対戦はなかった。遠藤は日大でタイトル11個を獲得するアマエリートとして角界入り。長い年月を経てリベンジを果たした。
この相撲にうなったのが、11日に引退した元大関把瑠都のカイド・ホーヴェルソン氏。NHKでゲスト解説を務め、遠藤の今後について「これからすごく伸びそう。ケガをしなければいけると思う」と期待を寄せた。
土俵上で浴びる声援、国技館を後にする際にサインを求めるファンの数も増すばかり。それでも、逸材は「勝つときがあれば負けるときもある。勝敗は気にしない」と、浮かれることはなかった。