稀勢、痛恨2敗目…悲願初V遠のく

 「大相撲秋場所9日目」(23日、両国国技館)

 大関稀勢の里は千代大龍に突き出され、2敗目を喫した。先場所に続く苦杯で、これで1敗がいなくなった。横綱白鵬は豊響を突き落として無敗を守り、27度目の賜杯に向けて独走態勢に入った。稀勢の里に加え横綱日馬富士、平幕では旭天鵬、豊真将の4人が2敗で追う。

 悲願の初優勝がまたも遠のいた。支度部屋に戻った稀勢の里は、ため息とうめき声を連発。白鵬と2差がつき「明日に集中して…。明日もやるだけです」と、声を振り絞るしかなかった。

 立ち合いで当たり負けし、回転の速い突きを前にズルズルと後退。突き落としで逆転を狙ったが、先に右足が土俵の外に飛び出した。先場所に続き同じ相手に喫した黒星。千代大龍が「(大関を)押す時に重さがなかった」と話す程の、もろさだった。

 伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は「立ち合いに集中力と気迫が感じられない」と、苦言を呈した。北の湖理事長(元横綱)は、9日目の白鵬独走に「早いね。大関2人はついていってほしいが…」と嘆いた。

 綱とり初挑戦の先場所は、7日目までに3敗。千秋楽には琴奨菊に敗れ、全て振り出しに戻った。「場所前も緊張したし取組でも堅かった」と重圧に苦しんだ。それでも「収穫がなかったわけじゃない。この経験を生かさないと」と誓い、臨んだ今場所だった。

 10日目の相手は因縁の琴奨菊。優勝は厳しくなったが、3場所ぶりの天敵撃破で、進歩の跡は刻みたいところだ。

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