豪栄道11勝で殊勲賞 大関とりへ第一歩
「大相撲秋場所千秋楽」(29日、両国国技館)
関脇豪栄道が大関とりへ、確かな第一歩を踏み出した。魁聖を寄り切り11勝目を挙げ、2度目の殊勲賞を獲得。3場所合計33勝が目安とされる大関昇進に向け、来場所で大関とりの足固めを狙う。14日目に4場所連続27度目の優勝を決めた白鵬は、日馬富士との横綱対決を小手投げで制し、14勝1敗。三賞は豪栄道に加え、松鳳山が2度目の敢闘賞を受賞した。九州場所は11月10日に福岡国際センターで始まる。
悲願の大関へ、豪栄道が大きな11勝目を挙げた。一歩目を踏み出し「満足しています。勢いのある間に悔いを残さないよう、来場所もいい相撲を取って将来に結びつけたい」と声を弾ませた。昇進条件は3場所合計で33勝が目安とされる。堂々の大関とり宣言だ。
体重182キロの魁聖に対し、さっと左まわしをつかみ、右に振りながら攻めた。反撃の上手投げでひやりとしたが、最後は左の差し手を返して懸命に寄り切った。「思ったより重かった。何とか勝てた」と汗をぬぐった。
自身2度目の殊勲賞にも輝いた。「三賞の中で一番うれしい。横綱に勝たないともらえませんから。浮かれないようにしたい」。10日目の白鵬撃破が決め手となったが、すぐに気を引き締めた。
期待感は高まりつつある。白鵬は優勝者インタビューで「豪栄道がよく頑張った。大関とりを頑張ってほしい」とエールを送った。北の湖理事長(元横綱)も「11勝は大きい。次が大事」と言及した。
来場所は10場所連続で関脇を務める。昨年九州場所も11勝したが、翌場所は気負いすぎて8勝止まりだった。「普段から自分を追い込んで、メンタルを鍛えます。ハートの強い人が勝つ」と気合を入れた。
地元大阪・寝屋川市のふるさと大使に就任することも決まり、順調なら来年3月の春場所は、大関としてのがい旋が可能になる。「そうなれば最高ですね」と、一層気持ちを高めた。