稀勢の里、恩師命日に悲願初優勝誓った
「大相撲九州場所」(10日初日、福岡国際センター)
大関稀勢の里(27)=鳴戸=は、一昨年に急逝した先代鳴戸親方(元横綱隆の里)の命日である7日、福岡市香椎宮の部屋で、悲願の初優勝への誓いを新たにした。
師匠の死を乗り越え、大関昇進を決めた場所から2年。「確実に自分の相撲は変わっていると思う。それでも基本がないと上もない。昔言われたことを毎日やっていますよ」。自身の成長への手応えと、先代への不変の尊敬心を口にした。
先代の教えの一つが「自分の頭で考えろ」だった。大関は「自分で考えることはだいぶ増えましたね」と話す。結果を求める周囲の期待にも「焦っていないですよ。一歩ずつ前には進めている」と、自信を口にした。
この日は稽古前に全員で1分間の黙とうをささげ、高安を相手にした申し合いでは21勝1敗と圧倒。序二段力士相手に、呼び戻しの動きを何度も繰り返すこともあった。「あれから2年。本当に早いですね」。亡き師匠に賜杯をささぐ日は、着実に近づいているはずだ。