日馬5連勝 大ファンのポール観戦に興奮
「大相撲九州場所・5日目」(14日、福岡国際センター)
横綱日馬富士が、公演のため来日中の元ビートルズ、ポール・マッカートニー(71)が観戦した中、高安を下手投げで退け、5連勝とした。全勝は横綱白鵬、平幕の舛ノ山、翔天狼を加えた4人。大関とりの足固めを狙う関脇豪栄道は安美錦にはたき込まれ、初黒星を喫した。
強い日馬富士が戻ってきた。高安のかち上げにひるまず左を差し、右で頭を抑えつつ振り回すような下手投げ。両者もつれて倒れると、起き上がる際には、さりげなく高安の頭を土俵に押しつける品のなさ。そんな“らしさ”も戻ってきた。
横綱7場所目。土つかずの5連勝は、昇進後としては全勝優勝した今年の初場所だけだった。「体がよく反応している。自分の相撲を取れている。一日一番集中するだけ」。早々と優勝争いから脱落する面影はない。
前日に師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が体調不良で緊急入院。見舞った横綱は「頑張れ」と声をかけられ、「必ず頑張ります」と誓った。ちゃんぽんとカツ丼を食する験担ぎも、初日から続いている。
横綱に一層刺激を与えたのがポール・マッカートニーだった。「嫌いな人はいないでしょう」と話すほどビートルズ好き。「一緒に写真を撮りたかった。英雄ですからね」と興奮を隠さなかった。
ビートルズの好きな曲として「イエスタデイ」を挙げた。10勝にも届かない低迷を非難された“昨日”は振り返らず、ひたすら栄光を目指す。