豪栄道が稀勢下す 大関とりへ足固め
「大相撲九州場所・8日目」(17日、福岡国際センター)
関脇豪栄道は大関稀勢の里を逆転の首投げで下し、6勝目を挙げた。大関とりの足固めとなる二桁勝利へ、大きな白星をもぎ取った。白鵬はストレート給金直しの回数を史上最多の30回に伸ばし、史上7人目の幕内通算700勝に到達。日馬富士も全勝を守った。全勝の両横綱を追う1敗は、平幕の碧山だけとなった。
絶体絶命だった。立ち合いで、豪栄道は稀勢の里に十分の左四つを許し、一気に後退。イチかバチかの首投げで、大関を裏返しにした。逆転の6勝目に「反応の良さはいい。調子のいい大関に勝てたのは大きい」と、声を弾ませた。
今場所は立ち合いの不調が深刻で、前に出られていない。押し出し、寄り切りの決まり手はなく、引き技が目立つ。過去の映像を見て修正を試みるが「踏み込みがまだまだ」と、納得には程遠い。
大関昇進の目安は3場所合計33勝。先場所11勝を挙げ、今場所二桁勝利を挙げれば、来年1月の初場所は大関とりとなる。地元大阪で行われる3月の春場所、大関としてのがい旋を狙っている。
歴代4位の10場所連続で関脇を務める。「ごはんを食べているときが一番落ち着く」と話し、稽古中に若い衆に「きょうのおかずは?」と、ちゃんこ内容を尋ねることもある。重圧に負けない精神力は着実に培ってきた。中日を終え「しのいで勝てているのは大きい」と前を向いた。