日馬富士は全休「この悔しさを大阪で」
「大相撲初場所」(12日初日、両国国技館)
日本相撲協会は10日、両国国技館で大相撲初場所の取組編成会議を開き、横綱日馬富士(29)=伊勢ケ浜=の左足首けがによる休場を発表した。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が休場届けを提出した。日馬富士は靱帯(じんたい)を数カ所痛めており、全休する。
苦渋の決断だった。休場が決まった日馬富士は部屋の稽古終了後「出たかったけど、今の状態ではまたけがにつながる。最後の最後まで治療したんですが…。心と体を鍛えて、この悔しさを(3月の)大阪場所にぶつけます」と、唇をかんだ。
左足首は昨年12月末にトレーニングをしようとした際に滑って痛めたという。「靱帯が伸びていて、一部は切れている。まだ内出血がある」。師匠も「本当ならギブスをつけなくてはいけない状態。先日(8日の明治神宮奉納)土俵入りもきつかったみたいだ。協会には申し訳ないが、大阪場所での巻き返しに期待してほしい」と、当分治療に専念させる考えで、途中出場の可能性も否定した。
日馬富士の休場は横綱昇進後初めて。前場所優勝力士の休場は07年名古屋場所後の朝青龍以来で、負傷休場は01年夏場所優勝後の貴乃花以来となる。稀勢の里の綱とりが話題の今場所で、たちはだかるべき横綱の1人が戦わずして消えた。