稀勢初白星も鏡山審判部長「しんどい」

 「大相撲初場所・2日目」(13日、両国国技館)

 大関稀勢の里が小結妙義龍をすくい投げで破り、待望の初白星を挙げた。初日に豊ノ島に敗れたが、綱とりへ向けようやくスタートを切った。28度目の賜杯を狙う横綱白鵬は豊ノ島を引き落としで退けて2連勝。幕内707勝は現役1位で、武蔵丸を抜いて単独史上5位とした。大関陣は、かど番の大関琴奨菊が隠岐の海に敗れて初黒星。隠岐の海が2日連続の大関撃破で2連勝と気を吐いた。

 かろうじて綱への希みがつながった。稀勢の里は立ち合い妙義龍に押し込まれ防戦に回る。一瞬、土俵際まで詰められる危機は右足一本でこらえ、ここから左を差して、起死回生のすくい投げ。大入り満員の観客から嵐のような拍手をもらった。

 初日は格下の豊ノ島に不覚を取った。一夜明けても綱とりの重圧から逃げるすべはない。この朝、稽古場では終始無言。前日黒星のショックを引きずったまま、2日目の土俵に上がった。

 それでも白星をつかんだことが大きい。「相手の立ち合いが完璧だった。自分も悪くはないが、相手にそれ以上のものがあった。土俵際に詰められた時は我慢ですね。落ち着いていたかどうかは、見ている人が一番分かるのでは」。少なくとも自分の結果を自分の言葉で振り返るだけの余裕は生まれた。

 1日遅れで綱とりの幕が上がったが、前途は険しい。初日黒星から横綱昇進を果たすとすれば、1981年名古屋場所の千代の富士(現九重親方)以来33年ぶりで奇跡に近い。周囲の見る目も「昨日今日の相撲では、しんどすぎる。上に上がる者は力を誇示してほしい」(鏡山審判部長=元関脇多賀竜)と手厳しい。

 3日目の相手も過去2勝2敗と五分の千代大龍。「前へ出ていくのが自分の相撲ですから」。支度部屋を出る前に口にした逆襲への誓い。それを現実のもにできるか。綱の資格が今こそ試される。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(大相撲)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス