稀勢、中日で3敗目…横綱昇進消える
「大相撲初場所・8日目」(19日、両国国技館)
2度目の綱とりだった大関稀勢の里は小結栃煌山に寄り切られて3敗目を喫し、今場所の昇進は消えた。
脇の甘さも腰高も、ついに改善されなかった。稀勢の里は立ち合いで栃煌山にもろ差しを許した。そのまま体を起こされて寄られると、なすすべなく土俵を割った。満員札止めの観客から大きなため息が漏れた。
中日で3敗を喫し、綱とりは白紙に戻った。鏡山審判部長(元関脇多賀竜)は「ここで3敗はきつい。世間の目も厳しくなる。初日から狂ったんだろう。また早いうちに次(の綱とり)があると思いたい」と総括した。
場所前に師匠(元幕内隆の鶴)が鳴戸から田子ノ浦に名跡変更し、慣れ親しんだ千葉県内の部屋から都内の旧三保ケ関部屋へ引っ越した。大事な時期に稽古に集中しにくかったことは確かだが、稀勢の里は無言を貫き、弁解はしなかった。
2度目の綱とりも失敗に終わった。だが、経験は重ねた。これを今後の糧にできるか。和製横綱誕生を待つファンにどうこたえるか。まだ肩の荷は下ろせない。