琴奨菊、かど番脱出「ほっとした」
「大相撲初場所12日目」(23日、両国国技館)
手負いの琴奨菊は、まげがまだ結えないざんばら髪のホープを退けた。かど番脱出を果たし「ちょっとほっとした」と控えめな笑みを浮かべた。
自らの真骨頂を存分に発揮した。出足鋭くぶつかり、得意の左を差す。代名詞のがぶりで一気に攻め、遠藤に何もさせず寄り切った。支度部屋でも表情は穏やかで「苦しい思いと体が動かないもどかしさで負のスパイラルに入り、いらんことまで考えていた。それを断ち切る一番」と自己評価した。
先場所負傷した右大胸筋のけがが完治しないまま臨んだ今場所。左足首も痛める不運に見舞われたが、最大の目標は達成した。顔はわずかに緩んだが「また気持ちと体を整えて残りを取り切る」と、心は引き締めたままだった。