白鵬、決定戦制し歴代3位の28度目V
「大相撲初場所千秋楽」(26日、両国国技館)
横綱白鵬が14勝1敗で並んだ大関鶴竜との優勝決定戦を寄り切りで制し、2場所ぶり、歴代3位の優勝回数を28に伸ばした。本割で鶴竜に寄り倒されたものの、優勝決定戦で寄り切った。14勝の鶴竜は春場所(3月9日初日、大阪市ボディメーカーコロシアム)で綱とりに挑む。大関稀勢の里は右足親指の負傷で休場し、7勝8敗で負け越し。綱とりから一転、春場所は初のかど番へ追い込まれた。
同じ相手に2度続けては負けらない。本割で、白鵬は張り手にいって墓穴を掘り、左四つに組んでから鶴竜に右を巻き替えられてもろ差しを許した。逆転優勝へ執念を見せる大関に寄り倒されて、背中から土俵に落ちる屈辱的な敗戦。決定戦に持ち込まれて沸き立つ館内とは対照的に、支度部屋に戻ると平常心を取り戻した。
「初日から今場所の流れをもう一度思い出した」
初場所における自身初の全勝優勝の野望は絶たれた。それでも、負けを引きずらずに次の戦いに気持ちを切り替えられるのが横綱の強さだ。
12年春場所以来の優勝決定戦。その時と同じく鶴竜を相手に万全の取り口を見せた。鋭い立ち合いの踏み込みから右まわしをつかむと、再び左四つになったが今度は右の巻き替えを許さない。すかさず寄って出て、花道まで吹っ飛ばした。
家族旅行で四股
なぜか初場所とは相性が悪く、過去に優勝は2回だけ。3年ぶりに今年最初の場所を制し、「何が何でも賜杯が欲しかったのでうれしい」と、笑みがこぼれた。3人の子どもたちとマス席から応援した紗代子夫人によると、年末年始に沖縄に家族旅行に行った時でも砂浜で四股を踏んでいたという。
優勝パレードでは敢闘賞を獲得した遠藤を旗手に従えた。春場所では初めての対戦が実現する。「そう簡単には上にはいけないんだよ。いい意味で壁になりたい」と、若手の前に立ちはだかる。優勝30回の大台へ、あと2。まだまだ孤高の道を歩み続ける。