鶴竜“貴ボディー”で綱とり狙う
「大相撲春場所」(9日初日、ボディメーカーコロシアム)
本場所の安全を祈願する土俵祭りが8日、大阪市浪速区のボディメーカーコロシアムで、三役以上の力士と協会幹部が出席して行われ、綱とりに挑む大関鶴竜(28)=井筒=は万全の仕上がりを強調した。14勝を挙げた1月の初場所並みの体重をキープし、「平成の大横綱」と呼ばれた貴乃花に匹敵する体格を手に入れた大関が綱を奪いに行く。
綱とりへ準備万端だ。「緊張感は特にないです。いつも通り。やることはやったと思う。稽古でやり残したことはない。大丈夫です」。大関の頭に重圧の2文字はない。
要因の一つは体重増。昨年の夏場所以降、筋肉量アップのためにプロテインを摂取。飲みやすい味のあるものではなく、「糖分があるから」と無味のものを毎日飲んだ。その結果、体重は約5キロ増えて154キロになった。
師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)も「毎日見ているけど大きくなったと思う。(元横綱の)貴乃花さんと同じぐらいの身長、体重になってきた」と目を見張る。186センチ、154キロほどの鶴竜に対し、全盛期の貴乃花は185センチ、150キロ前後とほぼ同じ。「平成の大横綱」並みの体格は綱とりへの好材料だ。
初日は遠藤と激突する。場所前の稽古では63勝3敗と格の違いを見せつけた。鶴竜は「稽古場と本場所は違うから、油断せずにしっかりやっていきたい」と冷静だ。しかし、土俵祭りの帰路には、大阪の繁華街で「あの人、誰?」と現実に直面。綱とりに成功して、日本中の視線をくぎ付けにできるか。