遠藤、父の前で連勝!真骨頂の左四つ
「大相撲春場所・6日目」(14日、ボディメーカーコロシアム)
ホープの遠藤(23)=追手風=が今場所初の連勝で2勝目を挙げた。父・吉樹さん(45)がサプライズ観戦した中、玉鷲を左四つに組み止めて押し出した。横綱白鵬は栃乃若を上手投げで退け、横綱日馬富士は関脇栃煌山を立ち合いの変化から上手投げで仕留め、ともに6連勝。平幕の大砂嵐も貴ノ岩を小手投げで下し、無敗を守った。
これがホープの真骨頂だ。遠藤は立ち合い、玉鷲の長い手で上体を起こされたが、柔軟な下半身で残すと、即座に反撃に出た。速射砲のような突っ張りを放ちながら中へ入り、瞬時に左を差し、右前まわしをつかんだ。
こうなれば怖いものはない。左へ振って相手の体勢を崩すと、落ち着いて押し出した。今場所初めて、十分の形からの白星。「狙い通り?そうですね。よかったと思います」。稀勢の里を破った前日の初白星が大きな分岐点となった。
支度部屋へ引き揚げる途中、サプライズが待っていた。待ち受けていた父・吉樹さんに気がつくと、がっちりと握手。「父に特別な気持ちはないですよ。それより今日はホワイトデー。(チョコレートをくれた人のために)勝ててよかったです」と笑顔を見せた。
今場所初の連勝で2勝4敗とし、巻き返しのチャンスは十分。「昨日の白星はもう関係ない。明日も思い切りぶつかっていくだけ」。ようやく波に乗ってきた。