「大相撲春場所・１２日目」（２０日、ボディメーカーコロシアム）

　初の綱とりがかかる大関鶴竜が第一関門・横綱日馬富士を突破し、１１勝目を挙げた。立ち合い、右から強烈な一撃で相手をいなすと一気の送り出し。「思い切って当たれた。狙ったわけではなく、自然と出た。自分の相撲を取ろうと思い、体がよく反応した」と自画自賛した。

　今場所は３日目に黒星を喫したが、その後９連勝。「今までコツコツやってきたことが結果につながっている」と、日を追うごとに安定感は増してきた。

　先場所１４勝を挙げ、今場所１３勝以上で優勝が昇進へのノルマ。大きな１勝にも「そういうことは思わずに自分の相撲を続けて取るだけ。まだ終わってない。浮かれずに、これからもしっかり自分の相撲を取る」と、自らに言い聞かせた。

　１３日目の相手は大関稀勢の里。過去１０勝２４敗と負け越している難敵だが、横綱を撃破した勢いが鶴竜にはある。１２連勝の横綱白鵬との直接対決まで、１敗死守しかない。