日馬、危な勝った初星 珍しく弱気
「大相撲夏場所2日目」(12日、両国国技館)
横綱日馬富士は、碧山に苦戦しながらも寄り切って、初白星を挙げた。横綱白鵬は豪風を押し出し、新小結の嘉風をはたき込んだ新横綱の鶴竜とともに2連勝。大関陣も勝ち、上位陣は安泰だった。関脇豪栄道は安美錦に寄り倒されて、早くも土。平幕の遠藤も松鳳山に突き出され、連勝はならなかった。
危なかった。日馬富士は碧山のいなしに右手を土俵につきそうになったが、踏ん張って最後は右を差して寄り切り。横綱に昇進してから初めての黒星スタートとなったが、連敗を逃れた。
「あれ、手をついていた?」と、体勢を崩した場面を報道陣に逆質問するほど。「負けられないから必死だ」と、北の湖理事長(元横綱)も余裕のなさを指摘する。
「きのうのことはきのうのこと」と、嘉風に完敗した初日から切り替えてピンチは脱した。とはいえ、土俵下に落ちたときに碧山をダメ押し気味に倒したことが審判部でも問題視され、注意を受ける可能性もある。
「自分の相撲が取れていない。もう30歳だから。トシだよ」と珍しく弱気なコメント。予断を許さない戦いが続きそうだ。