千代鳳が鶴竜倒す「テンション上がる」

 「大相撲夏場所7日目」(17日、両国国技館)

 新小結千代鳳が横綱鶴竜を押し出しで破って、うれしい横綱からの初勝利を挙げた。鶴竜は早くも2敗目。横綱白鵬は7連勝で危なげなく単独トップをキープ。横綱日馬富士も遠藤を突き落としで退けた。1敗は大関稀勢の里と平幕の勢、北太樹の3人となった。

 ガムシャラに前に出た。幕内最年少の21歳・千代鳳が会心の内容で横綱鶴竜を一方的に押し出した。頭から当たって圧力をかけると、横綱が引いたところを一気に前進。わずか3秒5の速攻劇に、「無我夢中だった。気付いたら土俵際だった。マジで“やった”という気持ち。ヤバイ、テンションが上がります」と若武者らしく素直に喜びを表現した。

 178センチ、171キロ。横幅の広さを生かしてグイグイと前に出るのが持ち味だ。北の湖理事長(元横綱)も「攻め込むと体の大きさが生きる。体が丸いので相手はまわしが遠く感じるのではないか」と評価する。新小結で初めての上位総当たり。6日目まで1勝とはね返され続けて精神的に落ち込んでいたが、この白星が反撃のきっかけになりそうだ。

 番付発表の記者会見で「横綱・大関から2勝したい」と目標を掲げたが、ノルマ達成に「まさか現実になるとは」と自分でもびっくり。8日目は結びで横綱日馬富士に挑む。無欲の突進が再び波乱を呼ぶ。

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