「大相撲夏場所１０日目」（２０日、両国国技館）

　“角界のレジェンド”３９歳の旭天鵬が宝富士を寄り切り、初白星を挙げるとともに、元大関小錦に並ぶ史上９位の幕内通算６４９勝をマーク。場所前に誕生した第３子の次女に勝利をプレゼントした。横綱白鵬は栃煌山を突き落とし、１０連勝で単独トップをキープ。１敗で大関稀勢の里と平幕の勢が追う。

　この白星がどうしても欲しかった。旭天鵬は左四つで両まわしをがっちり引き付けて宝富士を寄り切り。１０日目にして白星を挙げ、「いや～、良かった。泣きたいわ」と言いながら満面の笑みを浮かべた。

　この日は母ツェヴェルマーさんが国技館で観戦した。場所前には、第３子となる次女が誕生。待望の勝ち星に表情は崩れっ放しだ。

　これで元大関小錦に並ぶ幕内通算６４９勝も達成した。「今場所の目標だったけど、１０日間もかかったな」と苦笑い。西十両筆頭だった９７年１１月、九州場所限りで引退した小錦と対戦して寄り切った。「立ち合いで変わろうと思ったけど、小錦関の体が大きすぎて動けなかった。今でも覚えているよ」と懐かしそうに振り返った。

　秋場所初日の前日、９月１３日に４０歳の誕生日を迎える。「ちょっとあきらめかけたけど、また頑張るよ」ときっぱり。１９５８年の年６場所制以降では初めてとなる「４０歳幕内」の快挙へ、まだまだ土俵に上がり続ける。