白鵬V30へソフト王会長から“助言”

 「大相撲名古屋場所」(13日初日、愛知県体育館)

 日本相撲協会は6月30日、名古屋場所の新番付を発表し、大鵬、千代の富士に次いで史上3人目となる優勝30度の大台が懸かる横綱白鵬が3場所続けて東正位に座った。横綱在位42場所は朝青龍と並び史上8位。白鵬は名古屋市緑区の宮城野部屋宿舎で記者会見を行い、V30はあくまで通過点であることを強調した。

 落ち着いたオレンジ色の着物姿で会見に出席した白鵬は口元に充実の笑みを浮かべていた。07年に新横綱として立った名古屋で今年は優勝30回の大台到達に挑戦する。その意欲について問われると、独特の言い回しで熱い思いをぶちまけた。

 「早々と名古屋でという気持ちはあります。大台に乗せた時に見える景色がどんなものか想像しています。まだ2人の男しか大台に立ったことがないわけですからね」

 勝ちにこだわって優勝回数を伸ばしてきたが、フィギュアスケートの浅田真央を引き合いに出して、その厳しさも訴えた。「あれだけ練習しても、かみ合わせが悪いと結果を残せない。優勝する、1位になるというは大変なことなんです」

 V30の先には千代の富士の31回、大鵬の最多32回というさらなる目標が控えるが、立ち止まる気はまったくない。「王さんに32回と考えるとダメ。35回、40回と考えれば楽でしょと言われた。余裕を持って自分の相撲を取っていくだけ」。大鵬と親しかった通算868本塁打の王貞治ソフトバンクホークス会長の言葉が心の支え。白鵬がいよいよ歴史を塗り替える。

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