稀勢の里が上々発進!綱とりへ初V狙う

 「大相撲名古屋場所・初日」(13日、愛知県体育館)

 初優勝を狙う大関稀勢の里が松鳳山を押し出して白星スタートを切った。白鵬、日馬富士、鶴竜の3横綱は安泰。かど番の大関琴奨菊も豊真将をはたき込んで好発進した。大砂嵐は玉鷲を下したが、関脇豪栄道は嘉風に、ホープ遠藤は照ノ富士に敗れた。

 まずは無難なスタートを切った。稀勢の里がうるさい松鳳山を寄せつけず初日白星。まわしにこだわらず、相手をよく見て強烈に土俵の外へ押し出した。

 大関昇進後、先場所までの15場所で5日目まで無敗はわずか2度。鬼門の序盤戦を幸先よく滑り出し「落ち着いて相手に対応できた。初日にしてはよかったです」と、かすかな笑顔で振り返った。

 足を負傷した初場所が7勝、春場所が9勝だったため、今場所優勝しても綱とりにはならないが、先場所の13勝は重い。秋場所で胸を張って3度目の綱とりに挑むためにも、初優勝はのどから手が出るほど欲しい。

 和製横綱誕生に期待をかける北の湖理事長は場所前「連敗をしてはならない」とくぎを刺した。この日は「仕切りはよかった。アゴが上がったが、相手を見て前に出ていた。まずまず」と評価した。

 名古屋では昨年初めて綱とりに挑戦し、11勝で綱を逃がしている。その後、今年初場所で2度目の綱とり。失敗には終わったが、貴重な経験を積んだ。

 「1年前とは気持ちが違う。去年の名古屋は暑かったけど、当時は暑いと思う余裕もなかった」。3日に28歳になり充実期を迎えた日の丸エース。もう流れは手放さない。

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