白鵬どやっ 期待の大砂嵐を子供扱い

 「大相撲名古屋場所・8日目」(20日、愛知県体育館)

 横綱白鵬が大砂嵐の挑戦を上手投げで退け、自己記録を更新する9場所連続34回目のストレート勝ち越しを決めた。大砂嵐の今場所3個目の金星獲得はならなかった。大関琴奨菊は玉鷲を寄り切って勝ち越し、かど番を脱出。平幕では高安が8連勝。大関稀勢の里は関脇豪栄道に寄り倒されて2敗目。ホープ遠藤は千代大龍にはたき込まれて5敗目を喫した。

 禅問答のような言葉に白鵬のプライドが詰まっていた。帰り際だった。「まさに勝つ相撲を取らなかったということだよ」。大砂嵐の挑戦を退け、意気揚々と迎えの車に乗り込んだ。

 自分の目指す相撲を取り切った。尊敬する第35代横綱双葉山の目指した取り口「後の先」が理想。最初は相手の好きなように相撲を取らせるが、最後は勝つ。「勝ちにいかないんですよ。もちろん最後は勝ちにいくんだけど。奥が深いでしょう」。かつてこう言って笑ったことがある。

 立ち合い右四つがっぷりになった。そのまま一気に寄ってもいいのに、相手にあえてまわしを与えて力のほどを量っているかのように動かない。相手が右からすくいにきて初めて動き、最後は左の上手投げで豪快に土俵外に転がした。

 「昨日(大砂嵐と)いい相撲を取りたいと言ったので、ゆっくり自然体でさばいた。相手に相撲を取らせた?そんな感じですね。(相手も)勢いあるし、いい相撲を取ったんじゃないの。自分は投げか寄りしかないので、自分の得意技で決めたのは良かった」

 上り調子の若手を子供扱いにし、9場所連続34回目のストレート給金。平成の大横綱が史上3人目の優勝30回へ向け、賜杯レースをひた走る。

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