“レジェンド”旭天鵬40歳幕内に王手
「大相撲名古屋場所・10日目」(22日、愛知県体育館)
“角界のレジェンド”、東前頭12枚目の旭天鵬(39)が千代丸をはたき込んで4勝目を挙げ、秋場所(9月14日初日、両国国技館)での40歳幕内実現へ“王手”をかけた。秋場所直前の9月13日に40歳の誕生日を迎える旭天鵬は、今場所5勝を挙げれば幕内残留がほぼ確実で、あと1勝で大台に乗る。横綱白鵬は平幕の豪風を寄り切り、無傷の10連勝。横綱鶴竜は関脇豪栄道に押し出されて2敗目を喫した。
白星は最高の良薬だった。旭天鵬がこぼれんばかりの笑みを浮かべて、支度部屋に戻ってきた。「まだやめへんで。よかった。連敗が止まった」。同部屋の魁聖、モンゴルの後輩玉鷲も、出番前だというのに、大先輩の勝利を喜んだ。
冷や汗ものの勝利だった。元気な千代丸の突進に張り差しで対応。土俵際まで追い込まれたが、最後は俵の上で粘り、左から起死回生のはたき込み。「相撲はめちゃくちゃだったけど、相撲には勝った」。なりふり構わず連敗を3で止めた。
大記録達成まで、あと1勝に迫った。東前頭12枚目で、残り5日間で1つでも勝てば、来場所の幕内残留がほぼ確実になる。秋場所初日前日の9月13日が誕生日。年6場所制となった1958年以降、自己の持つ最年長幕内記録を更新する「40歳幕内」が誕生する。
この日は、2012年夏場所の優勝記念の浴衣を着て場所入り。「あのころのことを思い出したいと思ってね。ここまできたら、どうしても幕内に残りたい。1年後だったら話にならないけど、あと5回取って1番勝てば達成できる。頑張りたい」。白鵬も一目置く大ベテランが名古屋場所に華を添える。