「大相撲名古屋場所・１２日目」（２４日、愛知県体育館）

　横綱白鵬が大関琴奨菊との１敗対決を小手投げで制し、単独トップに立った。横綱鶴竜は玉鷲を寄り切って２敗をキープ。横綱日馬富士は３日連続の横綱撃破を狙った関脇豪栄道を上手投げで退けて勝ち越した。豪栄道は３敗。遠藤は高安に寄り切られて６敗目。白鵬を２敗で鶴竜、琴奨菊、平幕の高安が追う。

　白鵬が再び指定席に座った。立ち合いは強く踏み込み、琴奨菊の出足を止めた。右を差し、左上手を狙ったが、まわしに手が届かないと判断するや、相手の左腕をたぐって強烈な小手投げ。「踏み込んで相手を止めたのが白星につながったね」と、落ち着いた口調で振り返った。

　前日の豪栄道戦は体勢不十分な状態から強引に投げにいって墓穴を掘った。この日は慎重に相手の出方を見ながらの勝利。「昨日強引にいった反省がありますから、今日は落ち着いていった。自分の組み手というものを大事にね」。自らも納得の白星だった。

　１敗対決を豪快に制し、賜杯レースの先頭に立った。北の湖理事長（元横綱）は「まだ、少し白鵬が有利になったかな、というところ。明日は稀勢の里戦があるし、中途半端になると危ない」と評したが、本人は「明日は稀勢の里といい相撲を取るようにね」と余裕の口ぶり。史上３人目のＶ３０到達へ死角は見当たらない。