豪栄道決めた大関!万年関脇からついに

 「大相撲名古屋場所・千秋楽」(27日、愛知県体育館)

 関脇豪栄道(28)=境川部屋=が堂々の大関昇進を決めた。大関琴奨菊との対戦は勝てば昇進決定という大一番だったが、得意の右四つから豪快に寄り切り、12勝目を挙げた。昭和以降最長の14場所連続で関脇に在位している豪栄道の直近3場所の合計白星は32勝になり、昇進の一つの目安とされる33勝には届かなかったが、北の湖理事長(元横綱)は昇進を決める臨時理事会の招集を決断した。

 和製大関の誕生が決まった歴史的瞬間、館内は大きな歓声に包まれた。豪栄道は立ち合い低く、速く当たった。琴奨菊の強烈な出足をピタリと止めると、素早く右を差して左上手をつかむ。これまで自分の相撲を支えてきた基本の形。最後は左で相手のまわしの結び目をがっちりつかみ、豪快に寄り切った。

 「大事な一番だったので中途半端はしたくなかった。腹を決めていきました。しっかり自分の相撲で勝ったので、それがうれしい」

 相当な重圧がかかった一番だった。取組前の三賞選考委員会で殊勲賞の受賞が決まった後、出席した伊勢ケ浜審判部部長(元横綱旭富士)が「これだけ勝っているので昇進があってもいい。審判部で意見を統一した。(先場所の)8勝があるのであと1番勝てばとなった」と方針を明言。そのハードルを見事に乗り越えた。

 関脇在位は昭和以降単独1位の14場所連続。裏を返せば、それだけ大関昇進にもがき苦しんだことになる。関脇になってから先場所まで4度2桁白星を挙げたが、2場所連続好成績を続けられず、昇進機会を逃がしてきた。そのジレンマをついに葬り去った。

 「毎場所支えてくれる人たちをがっかりさせてきたので、今年は大関昇進を口に出して自分にプレッシャーをかけた。今年中には絶対決めるつもりだった。それができて今は言葉にならない」

 新大関の誕生は12年夏場所の鶴竜以来で、日本人としては12年初場所の稀勢の里以来となる。北の湖理事長からは「これからもっと上を目指さないといけない」とゲキも受け「(大関では)ここ一番でしっかりと自分の相撲が取れる、精神的に強い力士になりたい」と抱負。その先にはさらなる高みである、綱とりが待っている。

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