日馬、右眼窩内壁骨折 来場所は絶望的
「大相撲秋場所・5日目」(18日、両国国技館)
横綱日馬富士が右眼窩(がんか)内壁骨折のため5日目から休場した。4日目の嘉風戦で相手の頭部が右目付近に当たり、一夜明けても出血が止まらない状況。手術した場合は全治3カ月と診断され、力士生命に大きな影響を及ぼしかねない負傷となった。白鵬、鶴竜の2横綱は順当に5連勝。40歳の大ベテラン旭天鵬が敗れ、平幕の全勝は新入幕の逸ノ城だけとなった。
4日目の取組後は右まぶたを大きく腫らしながらも、「大丈夫ですよ」と気丈に話していた日馬富士だったが、一夜明けてからの診断はショッキングなものだった。都内の病院でCT検査などを受け右眼窩内壁(目の内側)の骨折が判明。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)によると、腫れが引かないばかりか鼻血が止まらない状態だという。
今後の経過を見たうえで手術するかどうか判断するが、手術しなくても1カ月、手術した場合は全治3カ月という診断が下った。負傷箇所が治癒するまでに本格的な稽古を再開するのは難しく、九州場所(11月9日初日・福岡国際センター)の出場はほぼ絶望的。北の湖理事長(元横綱)は「立ち合いで頭から当たっていくからね。怖くて(自分の相撲が)取れなくなることもある。きちっと治すことを先決に考えてほしい」と、完治を優先させることを勧めた。
手術すれば、さらに厳しい状況になりそうだ。完治までに年内いっぱいを要すれば、来年初場所(15年1月11日初日)に間に合うかどうかも微妙になる。2場所連続全休なら、春場所では進退がかかることになりかねない。日馬富士が力士人生で最大のピンチを迎えた。