鶴竜6連勝 綱で初のスタートダッシュ
「大相撲秋場所・6日目」(19日、両国国技館)
昇進後に物足りない成績が続き、名誉挽回を図る鶴竜が横綱3場所目で初めて初日から6連勝だ。いまだに前へ出る相撲が見られず、盤石の白鵬に見劣りする取り口だが「優勝争いしないといけないという気持ちの中、力まないよう白星を勝ち取っている」と淡々と話した。
宝富士が突っ掛けて、2度目の立ち合い。勢いそのままに当たってきた相手に押し込まれた。それでも「慌てずにいけた」と右おっつけで左差しを封じ、右へ動く。突き、押しから再び右に回り込み、タイミングよく突き落とした。
朝青龍、白鵬、日馬富士とモンゴルの先輩3横綱は、いずれも2場所目に賜杯を手にした。鶴竜の過去2場所は序盤で金星を配給して9勝と11勝。今場所は最高位の権威を示せるのか。土俵下で見守った朝日山審判長(元大関大受)は「引いて勝つのも鶴竜の一つのリズムだが、そればかりだと相手につけ込む隙を与えかねない」と懸念する。
日馬富士がけがで途中休場。連日の満員御礼に応えるためにも、白鵬の一人旅だけは避けたい。「横綱になってからの経験を生かしていく」。上位陣との対戦が控える後半戦まで、鶴竜は粘り腰の見せどころだ。