逸ノ城、大関連破!いざ横綱鶴竜に挑戦
「大相撲秋場所・12日目」(25日、両国国技館)
新入幕の逸ノ城が、大関豪栄道を上手投げで下して1敗を守った。11日目の稀勢の里に続く勝利で、新入幕が2日続けて大関に勝つのは昭和以降初めて。1914年夏場所の両国以来となる100年ぶりの新入幕優勝へ、13日目は横綱鶴竜に挑む。横綱白鵬は大関稀勢の里を寄り倒して全勝をキープ。鶴竜は大関琴奨菊に寄り切られて2敗に後退。遠藤は豊ノ島に寄り切られて10敗目を喫した。
どっちが大関か分からない。逸ノ城は立ち合い、豪栄道に左上手を許して頭をつけられたが、動じなかった。相手が右を巻き替えにきた瞬間、左上手を引き、強烈な上手投げを決めた。
新入幕力士としては00年5月場所で栃乃花(現二十山親方)が千代大海、貴ノ浪を破って以来、14年ぶりの2大関撃破。「大関は強いので形を作られる前に出ようと思った。たまたまタイミングが合ってよかった」と、細い目をさらに細くした。
変化で勝った前日の稀勢の里戦の反省を生かした。師匠湊親方(元幕内湊富士)から「前に出て負けるのはいい」と、背中を押されての会心相撲。「今場所一番いい相撲だった。90点」と自己評価した。
平幕ながら1敗を守り、13日目は結びで鶴竜戦が組まれた。新入幕の横綱挑戦は07年9月場所で豪栄道が白鵬と対戦して以来7年ぶり9人目。73年春場所で琴桜を撃破した大錦以来の新入幕金星に挑む。北の湖理事長(元横綱)は「まぐれで大関に勝てない。この体力は上位に通用する」と、鶴竜の苦戦を予想した。
「横綱戦はマジで!?と思った。明日は無理。相手は横綱ですよ。1、2秒で負けないようにするだけです」。新入幕の21歳。態度は謙虚だが、存在感は日増しに大きくなっている。