“怪物”逸ノ城 九州でも大暴れ宣言

 大相撲秋場所で、新入幕ながら13勝2敗の大活躍で殊勲賞と敢闘賞を受賞した逸ノ城(21)=湊=が29日、都内で急きょ設定された“一夜明け会見”に臨み、九州場所(11月9日初日・福岡国際センター)での躍進を誓った。1横綱2大関を破って規格外の大暴れを演じた怪物は、新三役昇進が確実視される博多の土俵でも、さらにスケールアップした姿を見せるつもりだ。

 当初は予定されていなかった逸ノ城の一夜明け会見は、千秋楽翌日の午前中に慌ただしく設定された。急きょセッティングされたにも関わらず、13勝2敗の大活躍で数々の記録を更新した時の人への注目度は抜群。テレビカメラ6台をはじめ多くの報道陣が集まり、彗星(すいせい)のように表れたニュースターを取り囲んだ。

 この日の朝は9時まで熟睡。「久しぶりにゆっくり寝れました」と、15日間の激闘を戦い終えて少しホッとした表情をのぞかせた。しかし、新三役への大躍進が予想される九州の土俵に向けて早くも気持ちは切り替わっている。「立ち合いを磨いて、もっと前に出る相撲を取れるように。力を付けて、上位でも勝ち越せるように頑張りたい」と表情を引き締めた。

 1958年の年6場所制以降、新入幕から所要1場所で三役に昇進したのは北の富士(64年3月)と大錦(73年11月)の2人だけ。ともに2桁黒星を喫して、上位の壁にはね返された。白鵬も「逸ノ城は来場所が正念場になる」と真価を問われることを強調する。

 まずは10月10日から始まる秋巡業で稽古に励む。「横綱が(胸を)出してくれると思うので、喜んでかわいがられます」と厳しい試練は覚悟の上。底なしのスケールを誇る大器は、秋場所を上回る衝撃の暴れっぷりで博多っ子の度肝を抜く。

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