逸ノ城V逃すも遠藤とのホープ対決制す

 「全日本力士選手権」(6日、両国国技館)

 新入幕の秋場所で白鵬と優勝争いをした初出場の逸ノ城(21)=湊=が1回戦で遠藤(24)=追手風=とのホープ対決を制した。逸ノ城はその後も勝ち進み、73回目の歴史ある大会でいきなりベスト4の活躍。優勝は鶴竜で、今大会を含め横綱として初優勝を飾った。

 待ちに待った遠藤との初対戦。逸ノ城は相撲巧者の遠藤をつかまえきれず、押し込まれる場面もあったが、そこで得意の右が入る。巨体を生かして前に出る。角界の将来を担うホープ対決は、寄り切りで逸ノ城に軍配が上がった。

 初対戦の前は「遠藤関は相撲がうまい」とテクニックを肌で感じ、盗もうと思っていたが、対戦を終えると圧勝に気分上々。「普通に。(印象は)特に何も」と堂々としたもの。遠藤のうまさを聞かれても「自分の形をつくろうと思ってました。相手の形にはならなかったので」と、うまさをパワーで圧倒した。

 2回戦では秋場所で敗れた勢を寄り切ってお返し。3回戦は千代鳳を寄り切り。準決勝で貴ノ岩に寄り切られたが、いきなりのベスト4進出であらためて怪物ぶりを印象づけた。

 場所休みを終え、この日から朝稽古を再開。師匠の湊親方(元幕内湊富士)から、左上手を早く取るために右手を先につくよう立ち合いを指導された。「教えてもらったばかり。これから稽古します」と、まだまだこれから進化する。

 2日前は「アホみたいに寝た。夜12時に寝て起きたら12時半。夜の12時半かと思ってビックリした。昼だったからもう一回、午後2時半まで寝ました」と14時間半の睡眠をとった。寝る子は育つと言われるが、今の逸ノ城も寝て起きれば強くなっている。

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