逸ノ城、変化不発…栃煌山に敗れ4敗目
「大相撲九州場所・8日目」(16日、福岡国際センター)
新関脇逸ノ城は、元関脇の栃煌山に左への変化を見破られて寄り切られ4敗目を喫した。横綱鶴竜は新小結勢をはたき込んでストレート勝ち越しを決め、単独トップを堅持した。横綱白鵬は照ノ富士を寄り切り1敗を死守し、ことし74勝目で8年連続8回目の年間最多勝が確定。通算勝ち星を873勝とし、大鵬を抜いて史上単独7位とした。40歳幕内の旭天鵬は隠岐の海を上手投げで退け、平幕でただ一人1敗をキープした。
目の前に厚いカベが立ちふさがった。逸ノ城は立ち合いで1度突っ掛けた後、2度目で左へ変化。だが、作戦は栃煌山に見破られていた。ほぼ棒立ちになったところを2本差され、なすすべもなく土俵を割った。
支度部屋では自分にダメ出しをした。「思い切り当たっていくつもりだったけど、土俵の上で変化になっちゃった。今日の立ち合いはダメだった」と目線を下げた。
先場所は2番同じ形で勝ちをものにしている。稀勢の里戦は2度突っ掛けて変化。鶴竜戦も1度突っ掛けて変化。老かいな戦略とも取れるが、2度同じ手が通用するほど上位は甘くない。栃煌山は「左上手を取りにくるか、変化か張ってくるかしかない。動きは速くないからね」と、してやったりの表情だった。
9日目は先場所、手玉に取られた白鵬戦。「まわしを取れるように当たっていくだけ」。もう上位に変化は通用しない。大関、横綱を目指すなら、巨体を生かし前へ出る相撲を取るしか道はない。