栃乃若が引退会見「ふがいなさが限界」
26歳の若さで15日に突然引退した大相撲の元幕内栃乃若の李大源氏が16日、東京都内の春日野部屋で会見し、引退理由などを語った。
195センチ、177キロの巨体を小さくして、栃乃若は口を開いた。「体がどこも悪くないのに、ふがいない相撲ばかりが目立つようになり、自分の中で気力を保つのが難しくなった。やめるかやめないかは2年前から考えていた。突発的のようだが、自分の中ではふがいなさが限界」と頭を下げた。
同席した師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)に引退を申し出たのは冬巡業から帰京後。同親方は「青天の霹靂(へきれき)だった。将来は部屋だけでなく、協会を背負って立つ人材と思っていた。本人は2年前から引退を考えていたというから、意思の疎通ができていなかった。すごく残念で後悔している」と複雑な表情。師匠が自分の取り口を変えようとしたことに不満があったともいわれる。
最高の思い出には11年九州場所で当時大関の日馬富士に勝った一番を挙げた。今後の身の振り方は未定だが「この世界では特に自分に欠けている精神面、何事にも立ち向かう勇気を学ばせていただいた。次の世界でも何事にも勇気をもって臨みたい」。断髪式は来年1月31日に都内で行われる。