白鵬、謝罪なし…批判問題に自ら幕引き
「大相撲春場所」(3月8日初日、ボディメーカーコロシアム)
初場所後の一夜明け会見で審判部を批判し物議を醸した横綱白鵬(29)=宮城野=が23日、大阪府堺市内の同部屋宿舎で会見し、自身の発言に関して初めて公の場で言及した。「自分の考えだけは伝えた」などと述べたものの、謝罪や反省の言葉は一切なかった。春場所では2度目の6連覇を狙うが、批判発言問題には自ら“幕引き”を示唆したような形で、消化不良の感はぬぐえなかった。
会見で問われることは覚悟していたのだろう。自らの問題発言に関し沈黙を守ってきた白鵬は「ふっ」と笑った後、口を開いた。
「何とも言えないところはありますけど、まあ頑張ります。それぞれ自分たちの考え、思いもあるだろうからね。それを考えて、ということ。まあ、自分の考えだけは伝えましたけど」
言葉を選びながらも、謝罪の言葉はなかった。「自分の考え」を改める意思がないことを示した。気持ちは次に向けて?と問われると「それしかないですけどね」と話し、会見場を後にした。
1月26日、初場所一夜明け会見で審判部を批判。13日目の稀勢の里戦での取り直し判定について「子どもでも分かる相撲。もう少し緊張感を持ってやってもらいたいね」と不満をぶちまけていた。
1月31日に生出演したテレビ番組で「多くの人々にご心配、ご迷惑をかけおわびしたい」と頭は下げた。しかし、これまで審判部に自ら足を運んでの直接謝罪はしていない。
自ら巻き起こした騒動に、自ら幕を引く意向だ。もうその話はこの日限りと言わんばかりに、昨年は唯一優勝を逃した春場所への意気込みを語った。
「去年、優勝を逃して応援する人に悔しい思いをさせた。今場所はいい思いをさせてあげたい」。昨年の雪辱と同時に、大鵬以来史上2人目となる2度目の6場所連続Vを見据えた。周囲にはすっきりしない印象が残る中、史上最多33度の優勝を果たした大横綱が、自己記録の更新に挑む。