白鵬、報道陣を締め出し「ほら、ほら」
「大相撲春場所」(3月8日初日、ボディメーカーコロシアム)
2度目の6連覇を目指す横綱白鵬(29)=宮城野=が27日、大阪府大東市の湊部屋を訪れ、大阪入り後初の出稽古で新関脇照ノ富士、平幕逸ノ城らと15番取った。ただ、自らの申し合い前に大勢の報道陣を閉め出す一幕もあり、審判部批判問題をきっかけに続いているピリピリムードは収まる気配がない。
部屋到着から約20分たった頃だった。カメラのフラッシュにいら立ったそぶりを見せた白鵬は、「ほら、ほら」と言いながら、報道陣を追い出すように左手を2回振った。付け人を通じて一部テレビ局を除く報道陣全員に退室を指示。それまで空いていた出入り口のドアと窓ガラスも閉められた。
湊部屋が宿舎にする実業団相撲の摂津倉庫は、白鵬が入門前の2000年秋にモンゴルから身を寄せ、親方衆の前で選抜テストを行った場。いわば原点の地でもあったが、審判部批判問題から端を発したピリピリムードは一向に収まらない。
報道陣を閉め出した後も稽古は続行。出稽古に来ていた照ノ富士、逸ノ城らとの申し合いでは、逸ノ城に右四つがっぷりで寄り切られた以外は、宝富士を内無双で転がすなど15番取って14勝1敗。順調な調整ぶりをうかがわせたが、稽古を終えると、これまで通り無言で引き揚げた。
所属部屋と違い、出向いた先での一連の行動は身勝手と言われても仕方がない。湊親方(元幕内湊富士)も「こっちとしては撮ってもらって全然構わないのに…。報道陣の皆さんに申し訳ない」と複雑な表情を浮かべた。