「大相撲春場所４日目」（１１日、ボディメーカーコロシアム）

　怪物を全く寄せ付けなかった。白鵬は立ち合いで鋭く踏み込んで左上手をつかみ、すかさず出し投げで崩して逸ノ城の巨体をあっさりと土俵の外へと運んだ。わずか３秒５の速攻劇で幕内８０５勝目をマーク、北の湖（元横綱）を抜いて単独３位へ浮上。さらに通算８９９勝目を挙げて、史上７人目の９００勝へリーチをかけた。

　この日は３０歳の誕生日とあって、宿舎にはたくさんのケーキやプレゼントが届き笑顔を見せていた。東日本大震災が発生したあとは、力士会会長として率先して被災地を訪問したり、土俵を寄贈するなど勇気と元気を与えてきた。しかし、取組後の支度部屋ではいつものように報道陣に背を向けてまげを直し、無言のまま引き揚げた。