「大相撲夏場所・２日目」（１１日、両国国技館）

　春場所で１３勝を挙げ、今場所は大関昇進が期待される関脇照ノ富士（２３）＝伊勢浜＝が怪力の大砂嵐とのパワー対決を制し、初日を出した。

　立ち合いは大砂嵐の強烈なかち上げをまともに食らい、冷や汗をかいた。「立ち遅れてアゴが上がった。先に上手を取られて一気に行かれたら終わってた」。それでも、体勢を立て直して左上手を取り、最後は「がっぷり四つになれば相手は力が出ないと思った」と落ち着いて寄り切った。

　負けん気の強さものぞかせた。仕切りの際、数秒間にらみ合う一幕もあった。「ずっと（大砂嵐が）にらんでくるから、俺も負けたくない」。鬼の形相でにらみ返し、白星をもぎ取った。

　今場所での大関昇進には１３勝以上がノルマとも言われている。初日は不覚をとったが、一日遅れの再出発に焦りや気負いは一切ない。報道陣から「１個だけ勝ってホッとするの？」と問われ、一笑に付した。「あと１３番残っているので一つ一つ勝つだけ」と、さらに闘志をかき立てた。