宇良白星デビュー「目標は5勝2敗」
「大相撲夏場所・2日目」(11日、両国国技館)
関学大から初めて大相撲入りした西序ノ口9枚目の宇良(22)=木瀬=が、右からの肩透かしで寿ノ富士(伊勢ケ浜)を下して白星デビューを飾った。代名詞の居反りこそ“封印”しているが、存分に業師ぶりを見せつけた。4日目(13日)には元学生横綱の大輝(八角)と対戦する。
アマ時代に得意にしていた居反りや足取りを出さなくても、宇良が存分にテクニシャンぶりを発揮した。持ち味の低い立ち合いから潜ろうとする動きを見せると、相手はさらに低い体勢で防ごうとした。
「前に出て勝つことを狙っていたけど、思ったより相手の体勢が低かったので。うまく応用を利かせて、体が反応してくれたと思います」
右を差し込んで相手の動きを止め、次の瞬間には肩透かしで相手を土俵に転がした。バック転をさらりとこなす抜群の運動神経を生かした技の切れ味で、鮮やかな白星発進。「一番一番を大事にしていきたいので良かったです」とホッとした表情を見せた。
今場所初めて番付にしこ名が載り、実家やお世話になった人に約50枚送った。目標はもちろん序ノ口優勝かと思いきや、「5勝2敗です。目標を7戦全勝にすると、一つ負けた時に気が抜けてしまいそうなので」と持論を披露。キョトンとする報道陣に、「結構、上出来の成績だと思いませんか?」と逆質問するなど、取り口と同じように、とらえどころのない“宇良ワールド”を展開した。
4日目には元学生横綱の大輝との取組が組まれた。大学3年時に対戦して足取りで勝っている。いつ、どこでアクロバティックな決まり手を繰り出すのか。ますます宇良から目が離せない。