照ノ富士、痛恨2敗 大関昇進は絶望的
「大相撲夏場所・9日目」(18日、両国国技館)
関脇照ノ富士は徳勝龍に寄り切られて2敗目を喫し、今場所後の大関昇進は絶望的となった。横綱白鵬は関脇妙義龍をきめ出し、50場所連続の勝ち越し。1敗は白鵬、平幕の魁聖、旭秀鵬を合わせて3人となった。横綱日馬富士が玉鷲に突き落とされ、2敗に後退。玉鷲は初金星。左膝を痛めている遠藤は負け越した。
痛過ぎる2敗目だ。照ノ富士は立ち合い、右手で張り、左を差して出た。だが腰が高い。徳勝龍に内にもぐられ、体を起こされると踏ん張りは効かず、寄り切られた。
支度部屋で腰高を問われると「あなたたちは見ているから、一番分かるでしょう。優勝を狙っているわけじゃない」とぶ然。平幕相手の黒星に「横綱、大関が負けたわけじゃない。大ごとじゃない。勝つ時は勝つし、負ける時は負ける」と強がった。
上位戦が本格化する終盤戦を前に、痛い取りこぼし。大関とりのかかる今場所、目安は「白鵬に勝って13勝以上」。可能性は残すものの、印象は悪い。
北の湖理事長(元横綱)は「優勝は厳しくなった。(昇進も)厳しい状況じゃないか。先場所13番勝ったけど、何でも思い通りにはいかない。成績を積み重ねて勝ち星を多く挙げることが大事」と、次場所への昇進持ち越しを示唆した。
7連勝の勢いも急停止。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「立ち合いが高い。1日で元に戻った。棒立ちだもん。集中力ないし、気合乗りも悪い」とバッサリだ。
「(前)2場所やってきたことをパーにはしない」と、自らに言い聞かせてきたホープ。名古屋場所に大関とりをつなげるためにも、まずは10勝がノルマだ。