日馬富士、こん身の力込め白鵬寄り倒し
「大相撲夏場所・千秋楽」(24日、両国国技館)
関脇照ノ富士(23)=伊勢ケ浜=が12勝3敗で涙の初優勝を飾り、場所後の大関昇進も事実上決まった。碧山(28)=春日野=を寄り切り、3敗で並んでいた横綱白鵬(30)=宮城野=が結びで横綱日馬富士(31)=伊勢ケ浜=に寄り倒され、平成生まれで初めての優勝力士、大関が誕生した。
日馬富士が、弟弟子の大関昇進を決定づける初優勝を援護射撃した。白鵬の攻めを残して懐に飛び込むと、全身の力で逆転の寄り倒し。昨年の夏場所から5連敗中だった相手を撃破し「ほっとした。正直」と安どした。
先場所の千秋楽。勝てば照ノ富士が優勝決定戦に進めた白鵬との一番に敗れ、悔しさに打ちひしがれた。この日は無心で土俵に立ったというが、「勝った瞬間に照ノ富士のことが頭に浮かんだ」と喜びを隠さなかった。
日々、胸を出し、照ノ富士を鍛え上げた。初優勝のパレードでは旗手を務めた。自分の番付に一歩近づく後輩に「どんどん暴れてほしい。(横綱昇進は)本人の努力次第だね」とエールを送った。