鶴竜、逸ノ城を撃破で復活アピールだ
「大相撲名古屋場所」(12日初日、愛知県体育館)
大相撲名古屋場所は12日に愛知県体育館で始まる。11日は同体育館で恒例の土俵祭りが行われ、北の湖理事長(元横綱)をはじめ協会幹部、横綱・白鵬(30)=宮野城=ら三役以上の力士が出席した。左肩の負傷のため3月の春場所、5月の夏場所を続けて全休した横綱・鶴竜(29)=井筒=は初日に関脇・逸ノ城((22)=伊勢ヶ浜=と対戦。復活へ闘志をみなぎらせた。
復活へかける強い気持ちが、言葉の端々からにじみ出る。鶴竜は土俵祭りに出席したあと、3場所ぶりに迎える本場所へ臨む心境を聞かれると、「いよいよという感じ。ここまできたらやるしかない」とキッパリ言い切った。負傷箇所が回復するのに時間がかかったが、名古屋入りして大関・稀勢の里(29)=田子ノ浦=らとの稽古で調子を上げてきた。
さらに鶴竜の闘志をかき立てる対戦が組まれた。初日の相手は関脇に返り咲いた逸ノ城。実は春場所でも初日に対戦するはずだったが、鶴竜が急きょ休場したため逸ノ城の不戦勝となった。くしくもその時と同じ取組となったことで、「仕切り直しの機会を与えられた。同じ相手だし再スタートという感じ」と強い決意を表した。
北の湖理事長は復活のカギは序盤戦だと指摘する。「初日が大事。久しぶりで足が地に着かないかもしれないが、ここで勝てば気持ちが変わってくる」と説明。横綱昇進後、優勝がないだけに何としても賜杯を手にしたい。5月末に生まれた長女アニルランちゃんの存在も励みになっている。休場明けVへ、いきなり負けるわけにはいかない。