照ノ富士、新大関1勝「少し硬かった」
「大相撲名古屋場所・初日」(12日、愛知県体育館)
新大関の照ノ富士は平幕の碧山を上手投げで下した。2場所連続休場明けの横綱鶴竜は、関脇逸ノ城を押し出した。横綱白鵬は、新小結宝富士を寄り切り、横綱日馬富士は小結妙義龍に上手投げで、それぞれ辛勝。5度目のかど番となる琴奨菊と、豪栄道の両大関に早くも土がついた。
新大関の緊張はありありだった。照ノ富士は立ち合いが高く、巨漢の碧山に当たり負けした。さらに右足を滑らせた。大ピンチだったが、何とかまわしに手をかけ、左四つに組み止めた。最後は豪快な右上手投げで土俵に転がした。
冷や汗の白星スタートに「足が滑った。危なかった。緊張はないけど、少し硬かったかな」と表情は硬いまま。土俵を引き揚げる際には、何度も首をかしげた。
「バタバタしてしまった。めっちゃ滑る。土俵入りの時から感じていた」と、不安が立ち合いに影響した。続けて「『緊張ですか?』って毎日、3、4回も聞かれる。その質問はやめにしよう。聞いたら怒るからな!!」と、“逆ギレ”した。
先場所、12勝3敗で初優勝して昇進。「大関は優勝争いしないと」と連続Vを宣言した。北の湖理事長(元横綱)が「(地位を)守るというより、上を目指す気持ちが強い。連続優勝を狙う気持ちはあるだろうし、初日を勝ったからどうのこうのの力士じゃない」と言うように、大関にとどまる力士ではない。
早期の横綱を狙える大器だからこそ、周囲の注目と人気は高い。その緊張を乗り越えなければ、角界の頂点は見えてこない。