旭天鵬「やっとだぜ!」逆襲への1勝

 「大相撲名古屋場所・5日目」(16日、愛知県体育館)

 40歳の平幕、旭天鵬=友綱=が豊響(30)=境川をすくい投げで下し、初日を出した。十両陥落なら引退を公言する“角界のレジェンド”は、来場所での幕内在位100場所を目指し、逆襲への1勝を挙げた。

 支度部屋に戻った旭天鵬は「やっとだぜ!!(相撲の)迷子にならないで帰れるよ」と、満面の笑みを浮かべた。4連敗を喫した前日、「どうやって相撲を取っていたか忘れた」と惑っていた40歳は、本来の姿を思い出した。

 全勝の豊響に「挑戦者」の心で臨んだ。強烈なノド輪に耐えると、土俵際、左を差して豪快なすくい投げ。角界のレジェンドに出た初日に、館内は歓声に包まれた。

 前夜はゲン直しにウイスキーを1本、飲み干した。「勝つのはうれしいな、うれしい、素直にうれしい」と、格別の1勝に酔いしれた。

 通算勝ち星は現役1位、歴代5位の925勝。前日、モンゴルの後輩、白鵬(30)=宮城野=に並ばれたが「抜かれないよう、きょうは阻止した」と、先輩の意地も見せた。

 十両の39歳、元関脇・若の里=田子ノ浦=も連敗をストップさせた。92年春場所で、ともに初土俵を踏んだ同期が刺激だ。「向こうが勝って、当然、俺も…ってなるよね」と、気合は入っていた。

 幕内から陥落すれば引退を公言する。「若の里も、十両から落ちればやらないし、俺と思っていることは一緒。同時引退もありだな」と、冗談を飛ばしたが、まだまだ終われない。

 来場所達成がかかる幕内在位100場所(1位は魁皇の107場所)へ向け、残留は6勝がノルマ。「きっかけになってくれたら」と、不惑の逆襲を開始する。

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